年表編集委員 あとがき(8K)


入力に使用した資料
底本の書名   香川県史 別編Ⅱ 年表    
  底本の編者   香川県
 底本の発行者  香川県
  底本の発行日  平成三年三月二十日
入力者名    渡辺浩三
校正者名    渡辺美智子
入力に関する注記
    ・文字コードにない文字は『大漢和辞典』(諸橋轍次著 大修館書店刊)の
     文字番号を付した。
    ・JISコード第1・2水準にない旧字は新字におきかえて(#「□」は旧字)
     と表記した。

登録日  2003年10月2日
      


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     年 表 編 集 委 員

原  始  松 本 豊 胤  瀬戸内海歴史民俗資料館副館長
       丹 羽 佑 一  香川大学教育学部教授

古代・中世  国 島 浩 正  四国学院大学文学部教授
       田 中 健 二  香川大学教育学部助教授
       坂 田 知 巳  高瀬町立図書館長
       野 中 寛 文  高松東高等学校教諭

近  世   木 原 溥 幸  香川大学教育学部教授
       岡   俊 二  四国学院大学文学部助教授
       植 村 正 治  香川大学教育学部教授
       千 葉 幸 伸  志度商業高等学校教諭
       丸 尾   寛  善通寺第一高等学校教諭

近代・現代  和 田   仁  高松工業高等専門学校教授
       辻   唯 之  香川大学商業短期大学部教授
       細 川   滋  香川大学経済学部助教授
       武 重 雅 文  香川大学教育学部助教授
       寄 田 啓 夫  香川大学教育学部教授


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あ と が き

 本編15巻に加える別編として,平成元年度刊の「索引・総目次」と今回の「年表」刊
行によって,『香川県史』はほぼ集大成を果たし得たことになる。
 本巻を編むに先立って,素朴な自問があった。これは刊本『香川県史』の記述に即した
「年表」なのか,あるいは広範多岐にわたる香川史を貫く「年表」とするか,である。後
者が理想には違いない。といって,有史前から歴史時代にかけて,それこそ星の数ほどの
事象を検索していたのでは,時間がいくらあっても足るまい。まして,刊行期限を切って
の作業であるからには前者の姿勢に傾かざるを得なかった。これで満足するわけではない
ので,既刊の「県史」を入念に読み込んで年表化すべき事項を検索し,その余勢で史(資)
料渉猟の範囲を可能な限り広げたのである。
 もちろん「県史」の記述を単純に右から左へ移すのではなく,記述の典拠となった原史
料にいちいち目を通して正確を期した。
 通史のなかで,さらりと書かれた年代の月日までを確定する作業は簡単にみえて,その
実根気のいる仕事だった。明治以降の死亡記事一つとってみても,知名の割には命日まで
は分からない人物が案外多く,出身地の町役場に造作をかける例が少なからずあった。
 国分台等での旧石器文化の発見で,本県の歴史は数万年前に遡ることとなったが,本巻
はさらに遡って人類の創世期から展開する。生きる知恵を磨きながらの人間の確かな足ど
り
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から・香川の誕生を見ていただきたい。
 歴史時代に入ってのこの地を俯瞰できるよう古代・中世は県内・県外に欄を分けた。県
域の歩みと,中央とのかかわりを明らかにするためで,その意味から域外での讃岐武士の
動静にも気を配った。
 近世以降は,政治経済と社会文化に区分して情報量の増大に対応した。とくに近世の事
項は・出典が何某家の文書である旨を明記して・研究の便宜を図った。
 近代以降となると・検索された事項カードは膨大で,原稿化を見送ったものも多かった
ことをお断りせねばならぬ。その一方で,例えば戦前の県の予算・伝染病の発生状況,戦
後では県議会への陳情請願等々,執ようなほどのスペースを割いている事項があるのに,
お気が付かれたであろうか。
 コレラはコロリと呼ばれた。伝染病に対する恐怖は,今日の想像を絶していたに違いな
い。庶民生活にとって何が問題だったのか,行政の姿勢はどこに重点が置かれていたのか,
過分なスペ-スの事項には,そのようなところを汲んでもらえれば,と思う。このため,
全日本的な事項をそのまま載せるのは努めて避け,県段階でそれが施策化された事項を収
載した。
 各時代の工夫で,編集の諸先生の労を謝したい。

  平成3年3月

                  香川県県史編さん室長
                      林   弘