入力に使用した資料 資料名 「図書館かがわ」No.76 編集者 香川県立図書館 発行者 同上 発行年 平成15年2月1日 入力者:香川県立図書館 校正者:同上 登録日:2003年7月11日
図書館かがわ 2003・2・1 No.76 (香川県立図書館報) ευρεσιζ(発見) [#写真入る] 『樋 口 一 葉 日 記』 日記といえば、三日坊主の典型のようにいわれるが、毎日書き続けている人も少なくない。 古くは、宮廷や役所で記録される公的なものだったが、次第に個人の記録、覚え書きなど、 私的なものが記されるようになり、数多くの日記が残されている。 こうした中には、文学作品として優れたものも多い。毎日の生活、見聞きしたもの、苦悩 や不安、憤り、自分の中の混沌とした思い、・・・日記にはさまざまなものが綴られる。 明治の文学者、樋口一葉は14歳の明治20年(1877)1月15日から明治29年( 1896)7月22日までの日記を残している。『たけくらべ』『にごりえ』とならぶ一葉 傑作といわれ、流麗な書体も評価が高い。 写真は、明治26年4月6日の部分、自詠の和歌を書き散らしている。 (樋口一葉日記(影印) 翻刻:鈴木淳、樋口智子 2002年 岩波書店発行)(K.Y) 21世紀の図書館に向けて 昭和55年度の全国図書館大会は鹿児島県で開催された。その大会テーマは「地域の文化と 図書館を考える」で、図書館法制定30周年の年でもあり盛大に行われたが、私にとっても 大変有意義な大会であった。それは、分科会で北海道・大樹町図書館の発表の中で、『「図 書館はオレラの図書館だ」という気持からか、町民の方々から毎年たくさんの寄付金を戴い ている。』と聞き、早速、高瀬町立図書館でも香典返しを図書館にとPRをはじめたことで ある。あれから20年余り、お陰様でその間に二千万円程の寄付金が図書資料費として寄せ られた。有難いことである。 図書資料費は図書館の生命である。図書館の利用は新しい図書資料がいかに多く書棚に並 んでいるかに左右されると言われる。バブルが弾けて12年、不況下でいつも最初に冷遇さ れるのは文化施設である。近年は例外なくどこの図書館も図書資料費が減少傾向にあるため、 各図書館が知恵を出し合って図書資料費の確保に努めなければならない。香典返しの寄付も その一つかもしれないが。 先般、平成16年度に香川県で全国図書館大会を開催することが決定された。この平成1 6年は香川県立図書館の前身である香川県教育会図書館が開館して百年になる記念すべき年 であり、また、第90回の節目の年で香川県では初めて開催される大会でもある。早速、準 備検討委員会が組織されたが、県下の図書館が一丸となって是非成功させたいものである。 21世紀は心の時代だと言われる昨今、特に、香川県では癒し文化による地域づくりが推進 されようとしている。図書館は文化のバロメーターだと言われ、住民に充実した文化生活を 提供するためには不可欠のものである。この大会を契機として県内の図書館行政が一層拡大 し、子どもの読書活動の推進に関する法律や学校図書館、ボランティアなどの諸問題につい て十二分に論議し、21世紀の図書館のあるべき方向性を示唆してほしいものである。 高瀬町立図書館長 坂田知己 レファレンス日誌から「思い出の歌を探す」 「○○という曲の歌詞を知りたい」「○○という曲の楽譜がほしい」という問い合わせ が結構ある。お年寄りが、懐かしい唱歌や歌謡曲を探していることが多いようだ。唱歌なら 「日本唱歌全集」、歌謡曲なら「全音歌謡曲全集」、民謡なら「日本民謡大百科」、わらべ 歌なら「日本わらべ歌全集」などを見る。これらは、よくぞ集めたと驚き、感動させてくれ る資料で、楽譜がついていることも多い。昭和の名曲であればCD「昭和の歌511」や「昭 和ヒット歌謡史」に収録されていることもある。 また、曲名も歌手名も分からず、「…という歌い出しの曲は何だったかな」という場合も ある。こんなときは、分類767(声楽)の資料をひたすら見ていくことになり、ほとんど お手上げとなる。ただし、今はインターネットという手がある。運がよければ、キーワード で検索し、曲名や歌詞をみつけることができる。 しかし、こうした調査でもお探しの曲が発見できないこともある。本には基本的に、有名 な曲しか載っていないし、インターネットにだって、たまたまそれを紹介する人がいなけれ ば、情報は存在しない。とはいえ、長い間気にかかっていた曲を探し出せたとき、利用者は とてもうれしそうだ。そのお手伝いができることは、図書館の職員としても幸せである。 (A.T) 〈参考文献〉 「日本唱歌全集」音楽之友社 「全音歌謡曲全集」全音楽譜出版社 「日本民謡大百科」ぎょうせい 「日本わらべ歌全集」柳原書店 (CD)「昭和の歌511」小学館 (CD)「昭和ヒット歌謡史」テイチク 図 書 館 の 本 棚 -道- 平成15年春、県内にまたひとつ新しい道が完成します。川之江から高松を通り板野へと 抜ける香川を東西に貫く高速道路です。県内に初めて高速道路が開通したのは、善通寺~豊 浜間で昭和62年12月16日のことでした。 みちは用途や形によりいろいろな字が使われます。〈道どう〉は人・動物・車など動くも のが行き来するみち、〈路ろ〉は人が行き来するみち、〈途と〉は長くのびるみち(地点間 のみちすじや時間的距離)、〈径けい〉はほそみち・こみち、〈軌き〉は車の進みゆくみち、 〈隧ずい〉は墓穴への通りみち・・・。古来、みちは「みちの神」が支配し、道路や通行・ 旅行の安全をつかさどっていると考えられてきました。生活、観光、輸送にと人の往き来に かかせない道。道は人の歴史と深くかかわっています。 今回は「道」に関する資料を紹介します。 一 般 「日本の道100選 新版」 ぎょうせい 2910 N97 「道と緑のキーワード事典」 技報堂出版 5188 D7 「道路時刻表━楽しいドライブのサポーター━2002年~2003年版」 道路整備促進期成同盟会全国協議会 6852 D1 1-19 「公共投資と道路政策」 勁草書房 34370 N5 「日本の高速道路━経営と料金制度 Highway report━2002」 日本道路公団 6857 N1 2-8 [#写真入る] 郷 土 「他火と歴史的景観」 他火の会 K1852 K6 「南海道」 筑摩書房 K2200 Y3 「香川の散歩道」 香川地名研究会 K2910 K18 2 「讃岐の道」 峠の会 K6804 T1 「香川県道路現況表」 香川県 K6852 K2 2-1~17 「香川県歴史の道調査報告書 1~11集」 瀬戸内海歴史民俗資料館 K6852 S6 1-1~11 「讃岐路を描く」 中央公論社 K7210 H1 2 [#写真入る] 児 童 「道は生きている」講談社 680 T2 2 「道の発達とわたしたちのくらし 1~5」 さ・え・ら書房 680 K3 1-1~1-5 「見えない所がよくわかる断面図鑑2 自動車・高速道路」ポプラ社030 M1 1-2 「交通の歴史」 学習研究社 680 W3 「人の道・車の道」 岩崎書店 080 S4 1-4 インターネットで提供しています-地域の本棚- ネットで『 艮矢倉』と入 力して検索すると、右のような [#写真入る] 結果が表示されます。 これは、「地域の本棚」にある『香川県史・年表』のデータがヒットしたものです。県立図 書館では、ホームーページ上で香川県に関する資料を提供していますが、「地域の本棚」はそ のコーナーの名称です。 当初ほとんどからっぽだった本棚も、現在テキスト化をすすめている香川県史の年表をはじ め、県市町史(誌)の目次、讃岐の昔話、讃岐ものしり事典など2年間で40点ほどが揃いま した。 パソコンで1字ずつ入力し、校正をかけてゆく電子テキスト化は、根気と忍耐のいる作業で すが、ボランティアの皆様のご協力を得て着実に増えています。 お 知 ら せ 企画展示 「なるほど香川!ものしり事典(くらし編)」 期 間 平成15年2月4日(火)~3月30日(日) 日常生活に関わりのある事項を中心に関連する図書の紹介とパネルによる解説を行う。香川 県に関するさまざまな統計、ランキング、方言、民話、言い伝え、風習、郷土料理などを紹介 します。 県民ギャラリー 展示コーナーを生涯学習の成果を発表する場としてご利用いただくため、今年度で3回目の 「県民ギャラリー」を開催しました。期間は5月28日~11月24日の間。参加は団体・個 人あわせて11企画。折り紙建築や絵画、人形、ちぎり絵、写真など多様な作品の展示が行わ れました。 平成15年度も参加者を募集します。皆様の多数の参加をお待ちしております。 平成16年度(第90回)全国図書館大会が香川県で開催されます! 全国図書館大会とは、全国の各種図書館の職員や関係者が一同に会し、図書館が直面する諸課 題について研究協議及び交流を行い、図書館活動の活性化を図るために開催される大会です。 この大会が、平成16年10月27日から20日まで、香川県高松市で開催されることになり ました。ご期待ください。 編集・発行 香川県立図書館、(財)香川県立図書館・文書館管理財団 〒761-0393 高松市林町2217-19 (香川インテリジェントパーク内) TEL 087-868-0567 FAX 087-868-0607 /