図書館かがわ no.71(13K)

入力に使用した資料
 資料名 「図書館かがわ」No.71
 編集者 香川県立図書館
 発行者 同上
 発行年 平成13年6月1日

入力者:香川県立図書館
校正者:同上
登録日:2001年7月17日
      

図書館かがわ  
2001・6・1  No.71 (香川県立図書館報)

 ευρεσιζ(発見)





              [#写真が入る]





「江戸幕府撰 慶長国絵図集成
               付江戸初期日本総図」

 江戸幕府は、慶長以来、数回にわたり諸国の大名に国絵図の作製・提出を命じている。この絵
図は、国家支配の基本図として作られ、庶民の目に触れることはおそらくなかったに違いない。
 今、古地図ブームだという。地図は用途目的や学術的価値を超えて、私たちを引きつけている。
江戸時代の歴史地理を研究するのも、絵師の技術に魅せられるのも良し。頭の中で、ひとりタイ
ムスリップするのも楽しい。 

  最初の慶長国絵図は、慶長10年(1605)に作られたと伝えられるが、江戸城の火災などで焼
 失し、現存するものはきわめて少ない。写真の「小豆島慶長絵図は、土庄町の大庄屋の家にれ
 たと伝えられるが、南を天にして描かれている。  (川村博忠編、柏書房、2000年4月発行)
                                      (K.Y)


図 書 館 の 夏

 このたび県立図書館協議会の委員に任命されて、あらためて自分が日ごろいかに図書館と縁の
ない生活をしていたのかを痛感している。しかし、図書館には忘れられない思い出がある。
 もう30年以上も前になる。中学3年の夏休み、わたしは一念発起して、地元にある金刀比羅宮
の図書館へ勉強をしに通うことにした。などと言うと、大変まじめなガリ勉と思われるかも知れ
ないが、そうではない。当時は部屋にクーラーもなく、家にいても暑いだけ。友人も何人か通っ
ていたし(実際、友人に誘われて夏休み途中から行くことにしたのだ)、そして何よりも「勉強
に行く」と言えば親は安心するのである。
 朝9時過ぎ、裏参道の上り口まで自転車で行き、石段を上っていくと、しばらくして神苑の中
に小公園と広場が現れる。そして、その上方に書院風の造りの金刀比羅宮図書館がある。木陰の
道とはいえ、盛夏に石段を上ると汗ばんでくる。しかし、山の風は心地よく、暑いとは思わなか
った。
 広い閲覧室では先輩や同級生数人が散らばって思い思いに勉強(たぶん)している。しばらく
すると、だれからともなく「息抜きだ」と言って外へ出る。そして神苑を散策したり、広場へ下
りてキャッチボールやソフトボールをしていた。
 昼ごろまで、長い時は3時ごろまで居た。結局、夏休みの間、休館日と雨の日以外はほぼ毎日、
通っていた。
 図書館で過ごした時間の割には勉強の方ははかどったとは言い難い。しかし、後にも先にもこ
の時ほど充実した夏休みはなかったと思う。この後は学生時代の夏休みも無為に過ごしたような
気がするし、社会人となるにつれて、次第に図書館とは縁遠い生活になってしまった。それ故に、
30年以上前のあの暑い夏の日々が、「青春の記念碑」として鮮烈に思い出されるのである。
                          香川県立図書館協議会委員 高尾 博
                           (四国新聞社編集局生活文化部長)


レファレンス日誌から

「水をめぐるレファレンス」
 「高松のデスイをしらべたいんだけど?」。「デスイ?」、わたしの頭の中は「×××」。
「出水」と書くという。『広辞苑』にはなく、別の国語事典を引くと、「方言・水のわき出てい
る所」、泉や湧水を指すらしい。
 夏が近づくと、水に関するレファレンスが多くなる。夏の宿題の定番だ。香川は、日照時間が
日本一、雨なし県である。大きな河川もなく、昔から水の確保に苦労を重ねてきたことから、水
をめぐるさまざまな言葉、慣行、伝説などが残っている。
 それは、郷土史の広い分野にわたっており、利用者も、レファレンスを受けるわたしたちも、
資料をさがして、あっちこっちと書架をめぐることになる。
 たとえば、キーワードは、ため池、空海、西嶋八兵衛、ダム、水道、香川用水、渇水、高松砂
漠、雨乞い、人柱伝説・・・。
 つい、「香川の水なんでも事典があれば・・・」と、思ってしまう。
 平成6年夏の異常渇水は、水のありがたさを再認識する機会となった。また、今年は満濃池が
築かれてから、1,300年目にあたる。水を憂い、水を考える夏がやって来る。(K.Y)
《参考文献》
「讃岐のため池誌」香川県農林水産部
「満濃池関係資料集」建設省四国地方建設局
「水利の開発に尽くした人々」香川用水土地改良区
「高松市水道史」高松市水道局
「讃岐の伝説1(水の巻)」松林社


図 書 館 の 本 棚

―ボランティア―
 2001年は、ボランティア国際年。第52回国際連合総会において、日本の提案に基づき、満場
一致で採択されました。ボランティア国際年には、①ボランティア活動への理解を深める、②ボ
ランティア活動の環境整備、③ボランティア活動のネットワークを広める、④ボランティア活動
を促進する、の4つの目標が掲げられており、今年は、世界中でボランティア活動が推進されて
います。
 そこで、今回はボランティア活動の参考になる資料を紹介します。(N.O)

一  般
 「ボランティアを高く評価する社会」
     本の時遊社 36900 M13
 「ボランティア革命」
     東洋経済新報社 36900 H6
 「定年。ゆとりボランティアの愉しみ」
     PHP研究所 36900 T9
 「市民活動時代のボランティア」
     中央法規 36900 K24
 「新しいボランティアひろがるネットワーク」
     ミネルヴァ書房 36900  S16
 「働くあなたもボランティアができる!」
     実務教育出版 36900 G3
 「ボランティア国際年」
     社会教育 2001年1月号

             (写真が2枚入る)

郷  土
 「香川県ボランティア交流集会報告書」
     香川県ボランティア交流集会実行委員会 K3692 K9 4-10 
 「ボランティア活動ガイド」
     香川県 K3692 K366
 「共に生きる」
     高松ボランティア協会 K3692 T4
 「生涯学習ボランティア活動総合推進事業実施報告書」
     香川県教育委員会 K3790 S10 4-10

児  童
 「ドキドキワクワクやってみようよボランティア」全4巻
     旺文社 360 D1 1-1~4 
 「ボランティアふれあいのえほん」全16巻
     学習研究社 J B201 1-1~16
 「みんなのボランティア大百科」
     フレーベル館 360 F1
 「ボランティアわたしたちにできること」全8巻
     ポプラ社 360 B1 1-1~8


お 知 ら せ

「地域の本棚」のボランティアになってください!
 当館では、ホームページ上に新しく「地域の本棚」を開設しました。ボランティアによって香
川県に関する資料を電子テキスト化し、蓄積して広く活用していただこうとするものです。
 「地域の本棚」を豊かな本棚に育てていくため、ボランティア(入力者・校正者)をさがして
います。
  ※入力者・・・ワープロやパソコンをお持ちで操作ができればどなたでも
  ※校正者・・・経験は問いません。校正に興味があればどなたでも
 申し出には期限はありません。随時、受け付けます。
 詳しくは、当館ホームページ「地域の本棚」をご覧いただくか、県立図書館までお問い合わせ
ください。

新しいサービスで、県立図書館がより身近になりました!
 図書館のない町の公民館等でも県立図書館の本を借りたり返したりできます。(協力貸出)
・図書館未設置町のうち、協力貸出の希望のあった12町(平成13年6月現在)の公民館等でも県
 立図書館の本を借りたり、返したりすることができます。
・借りたい本があれば、地元の公民館等へ申し込んでください。
・申し込みがあってから通常1日~6日程度でお届けします。
 県立図書館で直接借りた本・雑誌・CDが、地元の図書館等でも返せます。
・地元の図書館や協力貸出を取り扱う公民館等に備えている「香川県立図書館資料返却表」にご
 記入の上、本と一緒に窓口へ返却してください。
・高松市図書館は、県立図書館と同一市内にあるため、対象としませんので、ご注意ください。
 ※詳しくは、県立図書館、お近くの市町立図書館にお尋ねください。

平成12年度利用統計

 平成12年度は入館者数が初めて50万人を超えたのをはじめとして、前年度に比べ、利用は全般
に伸びています。
 また、県立図書館のホームページが、平成12年10月1日よりリニューアルされ、検索件数も増
加しています。

開館日数             283日      相互貸借
 入館者数          508,613人       貸出
 個人貸出                        件数            1,329件
  12年度末登録者数     101,368人           冊数             2,334冊
  貸出冊数             576,338冊         借受
 児童団体貸出                      件数              16件
  団体数             9団体        冊数              42冊
  貸出冊数             168冊        参考調査
 巡回文庫配本                      口頭              7,575件
  団体数              61団体        電話              2,134件
  貸出冊数             32,659冊         文書                152件
 巡回文庫長期貸出                    メール              39件
  団体数              4団体         計              9,811件
  貸出冊数             2,170冊        AVブース利用件数
                             音声              444件
                             映像              7,538件
                            オンライン検索件数
                             図書館ネットワーク       2,190件
                             インターネット         22,704件

編集・発行  香川県立図書館、(財)香川県立図書館・文書館管理財団
       〒761-0393 高松市林町2217-19 (香川インテリジェントパーク内)
       TEL 087-868-0567   FAX 087-868-0607
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